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久米 民和
IAEA-SM-365/22, p.90 - 94, 2003/09
多糖類は放射線分解することにより種々の生物活性が誘導される。本報告では、これまでに当研究室で得られている成果をレヴューする。キトサン,アルギン酸,カラギーナン,セルロース,ペクチンなどの多糖類は放射線で容易に低分子量化する。これら分解産物に、抗菌活性(細菌や糸状菌に対する抑制効果),植物生長促進活性,植物自己防御物質の誘導,重金属や塩などの環境ストレス抑制など新しい機能が発現する。これらの生物活性について、特に農業利用分野における応用を解説する。
杉本 雅樹; 森田 洋右; 田中 茂; 瀬口 忠男; 伊藤 正義*; 岡村 清人*
IAEA-SM-365/7, p.35 - 40, 2003/09
放射線を用いたSiC繊維強化SiC複合材料の合成方法に関する研究を行った。SiC繊維へSiC微粉末を混合したケイ素高分子を含浸し放射線で不融化して焼成する方法により、1回の含浸-焼成の工程でセラミック複合材の合成が可能となった。また、セラミック基材に適した新規なケイ素系高分子を用いることで、セラミック複合材の破壊挙動を改善できた。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
IAEA-SM-365, p.174 - 175, 2000/00
放射線分解型のセルロースに橋かけ構造を導入するため、その誘導体のカルボキシメチルセルロース(CMC)を水とよく練りペースト(グリース)状で照射し、橋かけが起こることを見いだした。照射は希薄水溶液、固体及び高濃度のペースト状で行った。固体及び5%以下の水溶液では、分解が優先した。10%以上のペースト状で照射すると水に不溶のゲルが観察され、橋かけが起きた。橋かけはカルボキシメチルグループの置換度(DS)とペーストの濃度に依存した。DSが2.2のCMCは、60%の高濃度でペーストをつくり、5kGyで80%のゲルが生成した。コンボスト化試験による橋かけCMCの生分解性は、未照射CMCよりも分解しやすかった。このほかにヒドロキシエチルセルロースとヒドロキシプロピルセルロースも同じ手法により橋かけが起こることを見いだしたので述べる。
吉井 文男; Darwis, D.*; Nugroho, P.*; 三友 宏志*
IAEA-SM-365, p.7 - 8, 2000/00
生分解性脂肪族ポリエルテルの放射線改質について、橋かけ技術により耐熱性と加工性を改善した。ポリカプロラクトン(PCL,融点: 60)を固定状、溶融状、過冷却状で照射した結果、過冷却照射が最も橋かけしやすかった。橋かけPCLは高温クリープ試験から、100に長時間耐えた。生分解性は、80%のゲル分率をもちながら、未照射PCLよりも分解しやすかった。加工性については、PCLにポリブチレンサクシネートをブレンドしたPHBO2を、10~30kGy、室温で照射し、分枝構造を導入することにより溶融粘度を改善した。これにより厚が7mの薄いフィルムが未照射試料の10倍の速度でブロー成形できるようになった。また、発砲成形も可能にした。
吉井 文男; 長澤 尚胤*; 三友 宏志*; 久米 民和
IAEA-SM-365, p.164 - 165, 2000/00
放射線分解型のカルボキシメチルセルロース(CMC)がペースト状照射で橋かけした。本報告ではCMCと同じ組成の立体構造の異なるデンプンの橋かけカルボキシメチルデンプン(CMS)を用いて行った。これは15%以上のポリマー濃度のペーストから橋かけを起こした。橋かけに必要な線量は、CMCよりも低く、3~5kGyで達成した。この場合は、最高60%の濃度ペーストをつくることができ、この濃度が最も橋かけしやすい。吸水性能はCMCよりも優れていた。コンポスト化試験による生分解性は、CMCよりも著しく速い。
Haque, M. H.*; 幕内 恵三; 三友 宏志*; 池田 健一*; 吉井 文男; 久米 民和
IAEA-SM-365/17, p.34 - 35, 2000/00
二官能性モノマーの1,9-ノナンジオールジアクリレート(ND-A)を加硫促進剤として使い、線と電子線による天然ゴムラテックスの放射線加硫を行った。ND-Aを5phr添加し、20kGy照射で30MPaの強度をもつ加硫ゴムフィルムが得られた。これをもとに低エネルギー加速器を使い、20のラテックスを210rpmの速度で攪拌しながら照射したところ30分で26MPaの強度のゴムフィルムが得られた。これはゴム製品製造に十分な強度である。ゴムフィルム中のたんぱく質の除去には、ポリビニルアルコール(PVA)のような水溶性ポリマーの添加が効果的であった。たんぱく質除去にはPVAのケン化度には影響されなかった。